単板焼きたい
カーボン単板の作成工程のまとめです。
基本、製作に使用したCFRPパイプや単板は、プリプレグの状態から積層し、製作したものでした。
単板
1.プリプレグを切ります。(炭素繊維:M40J)
この時のプリプレグカットは嫌いです。
最初はマスキングテープと指金を使って、カッターでカットしていましたが、非常にめんどくさかったです。
途中から、200x300のアルミ板を型にしてカットをすることにしました。
革命でした。
プリプレグカットがやや嫌いになりました。
2.積層します。
基本積層は[0/45/90/90/-45/0]です。(12層だと対称積層にできます。)
大事なのは積層する角度が急激に大きくならないことです。
層間剝離が起こりやすくなります。
3.マイクログラスを貼る(?)
マイクログラスは表面の剥離の防止です。
穴開け加工時に、一生懸命気をつけても、
マイクログラスがないと剥離する時はいとも簡単です。
剥離したの▼
マイクログラスがあれば気をつけていれば、大丈夫でした。
マイクログラスはのり無しを使ってます。
単板焼くときはのりがなくてもくっつきます。
使ってるの▼
4.真空引きをする。
バックフィルムとシーラントテープを使って真空引きします。
最初のころ▼
ピール、リリースフィルム、ブリーザの三種類を巻いてました。が
結局▼
リリースとブリーザは使わずにキッチンペーパーでいいと知り、試してみましたが、何の問題もありませんでした。
コストダウンですね。
補足:ピール
ピールは余分な樹脂を吸ってくれます。
左:ピール有り 右:ピール無し▼
これは、2層の単板ですが、ピール無しだと樹脂だまりができてすっごい表面ザラザラです。見た目のまんまって感じです。
接着するにはやっぱりピールあった方が良いですね。
重量は面積小さいせいかほとんど変わらなかったです。
5.焼く
一番下は金属ブロック群です。ゆったり均一にあったまる用です(?)
真空引きしていますが、単板が沿ってしまったら困るます 。
上下をアルミ・ステンレスのプレートではさんで置き、その上に重りを乗せました。
温度はどうしていたかというと、
最初は90度を30分キープして、130度を60分キープの二段階で行っていました。
プリプレグ販売会社とか、論文とかだと結構130度のキープだけとか多いです。
カーボンパイプを作成している会社では、やっぱり2段階の方が良いと言っています。
確かに、パイプなんかはマンドレル等使っていますし、均等に徐々に温度を上げるのが難しいので、キープいるかと思いますが、単板程度の小さいものであれば130度のキープだけでも十分だと思います。
本当は強度への影響も調べたかったですが、時間がなかったです。
炉は、リサイクルショップのオーブンを買って、中のヒーター部分系を回収して、単板が焼けるように製作し直しました。
単盤焼き2号機も有ります。が割愛
(自己責任でお願いします。)
見た目▼
突貫工事なので、汚いです。
どうしてもガラスの窓が欲しかったので、すごく時間がかかりました。
試し焼きの肉▼
おいしかったです。
6.完成した板
こんな感じでたくさん焼きました。
だいぶ、作業工程も軌道に乗ったのでそこまでしんどくはなかったです。
18年度の実機に使ったのは3枚でした。
結局実験含めて何枚焼いたのかは、見ないふりをしておきます。